【短】天使と悪魔のバレンタイン

グッと、男の子の顔に悲しそうなシワが寄りましたが、決して抱きしめられる力は弱まりません。


「ウソじゃない………全部真実だから」


真剣な声で言われるも、混乱している女の子は受け入れられませんでした。


「ソレもウソでしょう!?いい加減離してよ!!もうアンタの顔なんか見たくない!!」


女の子は力いっぱいに、男の子を突き放しました。


アーモンド型の瞳から、涙がポロポロ流れ落ちます。


重苦しい空気が、女の子と男の子の間に漂っていました。


「クッ…ヒック………フ……」


女の子の涙は、止まりません。