【短】天使と悪魔のバレンタイン

先に口を開いたのは、男の子の方でした。




「ごめん…………もう会えなくなる」




男の子が言いにくそうに言ったお知らせを、女の子は聞きもらす事無く聞いてしまいました。


「えっ……」


女の子の体が、寒さではなくショックで震え出します。


チョコレートの入った袋までもが、カタカタ震えていました。


「どうして会えなくなるの………?」


「ここに……来れなくなっちゃったから――――…」


男の子は、自分の青い髪の毛を耳にかけながら言いました。


女の子の大きな目には、ジンワリと涙が溢れて来ました。