仕事かーーー・・・


仕事が理由なら仕方がないと私は部屋に入っていく雄太の背中を寂しげに見送った。



初めて会った時のときめき、
コクられた時の喜びは、


今でもあの時の光景は鮮明に憶えている。



でも、肌を重ねて、時を経て、その時のコトはもう~遠い想い出になっていた。



同棲して、私たちは何かを失った。



私たちの間には家族のような空気が漂う。
それだけ、近い存在に
なったんだと最初は喜んだ。


互いに仕事で忙しく、すれ違いの多い日々。



私は最近、雄太に対して、ときめきも喜びすらも全く感じられなくなっていた。



それが二人の危険信号だとは思いもつかなかった。