俺は裏口から、オフィスの中に入ってゆく。



誰もいないオフィスは閑散としていた。



俺の狙った通り、川元は俺のワナに嵌っていた。
珠希のデスクに座り、彼女のノートPCを弄る。


俺はヤツのキーの叩く音を聞きながら、足音を立てず、近づいていく。


「川元・・・お前…珠希のPCで何してる?」


川元の肩は俺の声で大きく震えた。


肩越しに俺を見る川元の顔はひどく驚いていた。



「さ、佐久間…お前!?」