シークレット・シェアリング~同居人は先輩社員~

元カレと私を残して、郁弥は立ち上がった。


壁に掛けておいた自分のコートに手を伸ばす。



「ちょっと待って??私も…」


「いいじゃあねぇか…お前は元カレと話しろよ」


「い、郁弥???」


急激に、郁弥の瞳は冷たい光を帯びていく。


そのまま、コートを羽織り、郁弥は外に出ようと足早に向かう。



私は荷物もコートも座敷に置いて、郁弥を追いかけた。



「待って!!」