俺は仕方なく女の栗色の長い後ろ髪を撫でて、慰める。



「…」


指先に少し絡みつくけど、髪質は細く柔らかい。
俺は何度も女の髪を撫でた。



泣き止んだかと思ったら今度は俺の飲みかけのジンライムを飲んで、そのままカウンターテーブルに顔を突っ伏せて眠りこんでしまった・・・



人騒がせな女ーーー・・・


「珠ちゃん…寝ちゃったみたいだね」


「佐野さんの知り合い?」



「ここの常連」



「ふうん~そう」