先に川元が部屋に戻っていった。



「ありがとうございます」


「ん、ああ…何もされなかったか?」


「はい…まぁー」


「・・・なら、いい」


俺の胸に安堵が浮かぶ。


誤解を解けぬまま立ち去った川元。


俺と珠希が恋人かーーー・・・



まぁー、同居してるし、傍から見れば、恋人同士に見えるのは当たり前。




でも、俺は一度も恋人を作ったコトない。



女を利用するもんだと思っているから。


何の見返りなく…そばに置く女なんて一人もいない。