「残りは明日で、いい。今夜は遅いし、帰るぞ」



「へ、あ…はい」



仕事を任せた本人がそう言うんだから、いいんだよね。


私は帰り支度。


二人で、裏口から出て、表の通りへと歩く。



私にとっても、佐久間さんは不思議な男性。


冷たいし、自分勝手だし…彼の短所を言い始めたらキリがない。



でも、時折、見せる優しさが…



私は彼の背中を見つめる。



胸の奥に熱い想いが湧いた。