黒蜜味






繋がれた手を引かれ、抱きしめられる。


全身に鼓動の振動が伝わっていく。


「三、谷…?」


「翼…」


そう言って三谷は、私の頬に手を添えた。


私は口の中の飴をガリッとかじった。


甘くて苦い、黒蜜飴の秘密の味――。