中庭へと続く道を歩きながら、僕達は特に何を話す訳でもなくて、なんとなく沈黙に包まれていた。


僕にはそれを不快とは思えなかったんだけど。


「なぁ、ミキ?」


そんな静けさを破ってリョクが話しかけてくる。


「え、何?」


ほぼ横に並んで歩いているリョクを見上げて僕は返事を返す。


「………俺が居ない方がいいならこのまま帰るけど。」


急に立ち止まってそう切り出したリョクに、僕もつられて立ち止まる。


「………え?
リョク?
何言って………?」


聞き返す僕の声は少し震えていた。