「んー。
ミキちゃん、もうちょっと表情見えた方がいいよねー。
も少し、身体起こしてる角度にまでベッド傾けてー。」


小林監督の声は今日も放課後の教室に響いていた。


文化祭の当日は次の週末に迫っていて、クラス劇の練習も大分進んでいた。


今やっているところはもうラストに近い王子様の登場シーンだった。


だから、つまり。


白雪姫役の僕が寝ている所に、王子様役のリョクがやって来てキ、キス………をするっていう、そんな所、だったりするんだよね。


練習なのにとってもドキドキしちゃうよ。