「ミキ?」


リョクが驚いたように僕の名前を呼ぶ。


でも僕は小さいリョクの事を思ってしまって、ますます強く、すがりつくように強くぎゅうっと抱きついてしまう。


だって。


「すっごく寂しかったよね?
昔のリョクを想像したら………っ!」


ちょっと喉の奥が熱くなって、泣きそうになっている僕の事をリョクはギュッと抱き返してくれた。


「ありがとな。」


突然、そう囁かれて僕は不思議に思って顔を上げる。


「チビだった頃の俺に同情してくれたんだろ?
ミキは優しいな。」