僕は不思議に思って訊ねたんだけど。


「今から考えりゃ当たり前かな、とか思うけど?
だってな?
小学生になる前、だからまだ6才だったんだよな。
そんなガキがさ、ひとりで住んでんだぜ?」


よーく考えてみろよ、って言うみたいに、リョクは僕を覗き込んでくる。


うん、と。


確かにそれって。


「あぶない、よね。」


たった6つの子供が、ひとりで暮らしてるって。


1人でご飯作って、1人でお洗濯して。


それを想像してしまった僕は、強烈に湧いてきた感情に突き動かされたようにリョクに抱きついた。