「それじゃ、始めるよー。
まずはねー、最初のシーン。
白雪姫の登場シーンからだからねー。」


丸めた台本を手に打ち付けながら、クラス委員長の小林さんが放課後の教室に響き渡る声で告げる。


クラス全員に1人1役を、今年の文化祭のクラステーマにしていた小林さんは、自分は監督の役を引き受けていた。


なんだか、ピッタリとはまりすぎていて変な感じだけど、今のところ完璧な監督らしさを振り撒いている。


っていっても、本物の監督なんて、僕は見た事ないんだけどね。