「………こんな美味い弁当食べたのなんて初めてだ。」


リョクの大きな掌の上に乗せると、まるでままごとの道具のように見えてしまう僕のお弁当を、半分だけ食べたリョクは大げさにそう言って誉めてくれた。


もっと食べてって言ったのに、リョクは首を横に振って絶対にそれ以上箸をすすめようとはせず、なんだかんだと言っているうちに、残りの半分は僕の口の中へと消えてしまっていた。


うん、いつもと同じぐらいの出来かな。


なんて、僕の中の評価なんてそれぐらいのものだったのに、リョクは指に付いたエビチリのたれを舐めながら、感動したみたいにそんな事を言う。