僕のその提案にリョクはまんまるなぐらいに目を見開いて、びっくりした顔をした。


「え、だって、お前の分なんだろ?
俺が半分も貰っちまったらお前の分の食い扶持が減るじゃないか。」


僕を心配してくれているのか、リョクはダメダメって感じに手を振りながら言う。


でも。


リョクの身体は、ちゃんと正直におっきな音を立てて空腹だって事をアピールしていた。


「僕はあんまり食べない方だから気にしないで。
じゃ、取ってくるから待っててね。」


くすくすと込み上げてくる小さな笑いに、ほっぺたを痛くしながら僕はリョクにそう言って教室へと駆け出した。