花は野にあるように

「大事な紅茶を淹れてくださってありがとうございます。
花時計は、僕達がきちんと責任を持ってお世話します。
絶対に素敵な花時計にしますから、理事長先生も見に来て下さいね。」


僕の言葉に理事長先生は頷いてくれた。


「楽しみにしていますよ。
頑張ってください。」


そう励ましてもらった僕は、はい、と返事をしてもう一度お礼のつもりで頭を下げた。


「それじゃ、失礼します。
本当にお邪魔しました。」


本当に理事長先生のお邪魔しちゃったよね。


心の中でごめんなさいを言いながら、僕はリョクを連れて理事長室を出た。