花は野にあるように

そして、何を聞かれたのかを、その言葉を反芻してから理解する。


まぬけな感じに数瞬おいてから、僕はようやく返事を返した。


「あっ、あのっ………き、嫌いじゃないです………じゃない、す、好きですっ。」


なんだかもう、自分が何を言っているのかもわからなくなりそう。


それぐらいにいっぱいいっぱいになってしまっている僕の前へ、理事長先生は繊細な筆運びで可憐な花が描かれたティーカップを差し出してくれた。


「とりあえず、ティーバックしかないものでこれで失礼。」