重厚な扉は、まるで僕の前に立ちはだかる大きな壁のように、僕の視界に巨大に映っている。


落ち着いた色の木目を生かしたその扉の色が、ここは子供の来る所じゃないんだって言っている気がして。


僕は扉の前まで来ているのに、そこで二の足を踏んでいた。


「でも、ここでUターンしちゃダメだよね。
ガンバレ、僕。」


小さな声で、自分に言い聞かせるように言うと、僕は勇気を出して拳を固め、扉をノックするために右手を上げた。