花は野にあるように

「こんだけ、でっかく植木鉢に名前書く奴見たことねぇよ。
てか、いい年した大人がこんなにでっかく自分の名前書いちまって恥ずかしくねぇの?
俺なら書けって言われても拒否だぞ?」


リョクは呆れたように言って、肩をすくめながら一番大きな唐揚げを口に入れた。


「ふぉっ!
ひゃんら?」


………だから、口にいっぱい頬張ったまましゃべるのは無理だってば。


「なんだこれって聞きたいんでしょ?」


僕は苦笑いを浮かべながらリョクのコップにお茶を注いだ。


「唐揚げ、だけどね。
鶏じゃなくって、馬鈴薯なんだ。」