「リョクッ!
………じゃ………っ!」


「あ、あぁ、違う、違う!」


顔を上げた僕を見てリョクが慌てたように言った。


「そんな土は見ただけで判るし、食べたりしないって。
………味を見たりするのは見た目は良い土なんだけど、そこに生えてる植物達に合ってる土なのかどうか知りたい時だけだよ。」


優しい笑顔で、そう言ったリョクの言葉はすっごくあったかくって。


リョクの言葉の中身よりも、その言葉の温度が僕の心にじんわりと染み込んだ。