花は野にあるように

リョクの胸は、そんな僕をやわらかく受け止めてくれる。


僕はリョクの負担にならないように、そうっと背中に腕を回してリョクに抱きついた。


「僕を気遣ってくれてるんだっていうのはわかっているんだけどね、もう嘘はついちゃ嫌だからね?」


顔をうずめたままで言う僕の言葉はくぐもっていたけど。


リョクはそれに答えるように、僕の頭をゆっくりと撫でてくれた。


「………泣かせたくなくて、嫌がる事はしないって誓ったのにな。
ゴメン。
俺の所為でこんなに泣かしちまって。」