花は野にあるように

リョクには悪気があったわけじゃないし。


僕のために、よかれと思ってした事だし。


それを教えてもらえなかったからって、こんな風にリョクを責めるのは。


今更だけど、子供っぽい行動だったのかもしれないなって。


僕にも思えてきた。


「ホントにごめん。
秘密にされるなんて嫌だよな。
そんなトコまで、気が回らなくって、ごめん。
俺が悪かった。」


そんな僕の子供っぽい癇癪にも一生懸命にそうやって謝ってくれるリョクの態度は、とっても大人だよね。


僕は柔らかいリョクの胸に顔を埋めて、そう思っていた。