花は野にあるように

うん。


リョクが、僕の事を気づかっていてくれたんだって事は僕もわかってる。


でもね、君とお互いに気づかいあえる関係に、僕はなりたいんだ。


僕だけが、気づかってもらって、守ってもらうんじゃなくってね。


リョクの胸にぽふ、と顔を埋めながら僕は心の中で話しかけた。


「ね?
次から隠し事しちゃ、ヤダよ?」


まだ少し悲しい気持ちは残っていたけど、僕を抱き締めて頭を撫でてくれているリョクの大きな手の暖かさに包まれて。


僕はもう許してしまってもいいような気持ちになっていた。