花は野にあるように

「ミキ、違う。
そんなつもりじゃ………。」


「じゃあ、どんなつもりだったのっ!」


僕は口を開きかけたリョクを遮るようにして、とげとげしい言葉を吐く。


「僕なんて、リョクから見れば甘ったれてて、何にも出来ない子供に見えるだろうけどねっ!
僕だけがなんにも知らないままで、そのせいでリョクにばっかり迷惑を掛けてるのなんて。
………僕、嫌だよ。」


段々と、僕の口調は勢いをなくして。


俯いたままの僕から、流れ落ちていく涙が作る床の上のまだらな模様は少しずつ増えていく。