花は野にあるように

そうだよ。


全部、ひとりで抱え込んだままで、僕には何にも知らせてくれなくて。


僕の怪我なんて、ホントに大した事ないのにすっごい大怪我みたいに、大袈裟に騒いで。


そんな風に守られてるだけだなんて、なんだか。


自分が情けなくて。


リョクの優しさが、却って悲しい。


「リョクが辛い思いをしていた時に、その横でなんにも知らずにのうのうとしていた自分に腹が立つよっ!」


そう言っている内に。


いつの間にか僕の頬を熱いものが流れていた。