目的地の部屋の扉が見える所まで廊下を進んできた僕は、その重厚な色合いの扉を開けて出てきた意外な人物を見てすっごく驚いた。


そして、すぐに質問をぶつける。


「あ、リョクのお父さんっ!
リョクは?
どうして、リョクは今日学校に来てないんですかっ?」


「………ミオさん………じゃなくて、ミキちゃん。」


視線をずいぶん下の方におろして、はじめて僕に気付いたリョクのお父さんは、少し間違いながら僕の名前を呼んだ。


………その名前も正確には違うんだけど、今は気にしない。


そうして、勢い込んで訊ねた僕の質問に、リョクのお父さんは困ったように頭を掻いた。