「大丈夫か?」


突然耳元でリョクの声が聞こえて、僕はビックリして顔を上げた。


そこには、とっくに元通りに身仕度を終えたリョクが、心配そうな表情を浮かべながら僕を覗き込むようにして立っていた。


「さっきより、顔が赤いな。
熱が上がったかな?」


流石に体温計は持ってきてないからなぁ、と呟きながらリョクは僕の額に掌をあてる。


「んんー。
ちょっと、熱くなったような気がするな。
さっさと身体拭いて、スープとビスケットお腹に入れたら、すぐに寝た方が良いな。」