なんていう、僕の心の声が聞こえたわけでもないだろうけど、リョクは自分の言葉に少し首をかしげた。


「って、そんなに何杯も飲むもんでもないよな。
何をバカな事を言ってるんだろうな。」


ちょっと口の端だけで笑いながら、リョクは鼻の頭を掻いて。


そして何かを思い出したように、そうだ、と呟きながらリョクのリュックの中から、また布袋を取り出して僕のそばに戻ってくると傷めている右足のあたりに腰を下ろした。


「応急処置だけでもしておかなきゃな。」


そう言いながら足に触れたリョクの熱い手に、僕の身体はビクリ、と反応した。