「………人間に対する評価であんまり聞いた事のない表現だよな。」


リョクはあんまり気に入ってない感じで、そう言うと僕の事を解放してくれた。


「でも、本当にそんな気持ちがしたんだよ。
おっきな木にもたれて、湖を渡ってきた風に吹かれながら、枝の隙間からこぼれ落ちる木漏れ日にちらちらと照らされているみたいな気持ちだなぁってね。」


僕がそう言うと、リョクは大きな口を開けてガハハと豪快に笑った。


「そいつはいいや。
それなら、なかなか良い評価だよな。
うん。」


一人で頷いて、機嫌良く笑うリョクを見てると、僕もなんだか嬉しくなった。