暖かい繭の中で気持ち良く眠っている僕を、とても大きな鳥が翼を広げて危ない外界から護ってくれている。


その暖かくて、ほの暗い薄闇の中で僕は大空を夢見ながら孵る日を心待ちにしている卵の中の雛のような気持ちになっていた。


親鳥に護られながら、いつか飛び回る青い空を思い浮かべている殻の中の雛。


それが僕。


幾重にも護られながら、ただその温もりを享受しているだけの頼りない、弱い存在。


ただ。


護られているだけの。





なんて事を。


まどろみの中で思っていたらしい僕は。