「毛布はないけど、このうっすいシートは保温性があるから、身体を冷やさないようにちゃんとかぶってるんだぞ?
それから………。」


僕に言い含めるように言って、リョクは自分のシャツの内側で首に巻いていたハチマキみたいなものを取り出した。


そして、それに水筒の中の水をかけてから僕の額に当てた。


「気化熱で体温を下げてくれるから、額に巻いておくな?
俺は今から、急いで夜に備えるからミキはゆっくり休んでいて?」


そんな風に優しく囁かれてしまって。


僕はぐるぐる巻きで寝かされた状態で頷くしか出来なかった。