花は野にあるように

そう言いながら、リョクは今度はビーチマットみたいなモノを取り出した。


そして本当にあった空気穴に息を吹き込んで、大人がひとり横になれるぐらいの大きさのマットをあっという間に膨らませた。


「これを、敷布の代わりにする、と。」


言いながら、さっきのマットの上にそれを重ねてリョクは僕を見た。


「ちょっと足が痛むだろうけど、少しだけ我慢してこっちに移動してくれる?」


て。


言いながら、リョクッ!


思いっきり僕の事、抱き上げようとしてるじゃないかっ!


「じ、自分で動けるってばっ!」