花は野にあるように

「で、話を今からの俺達の事にしたいんだけどいい?」


真面目な顔に切り替わったリョクにそんな事を言われて。


ふたりの将来の話の事かとほんの一瞬だけ考えてしまって、プロポーズはベタでもいいから夜景の見えるレストランが良かったなぁなんて。


僕は思ってしまったなんて。


………絶対に言えない。


「ん?
どうかしたか?
顔が赤いけど、熱………出ちまったか?」


返事もしないまま、耳まで熱くなっしまった僕に、リョクは心配そうに尋ねてくれた。


「な、何でもないよ。
今夜、どうするって?
此処で待ってるの?」