「………ふう。
なんとか。」


思わずって感じの、リョクの口からこぼれた言葉に僕の背中を冷たい汗が流れた。


「ごめんっ!」


リョクの背中に回されている不自由な縛られている腕で、僕はリョクに抱きついた。


「ごめん、ごめんなさいっ。」


僕のバカな行動のせいで、迷惑をかけてしまったのは言われなくったってわかるよ。


だから僕は、リョクにしがみつきながら一生懸命に謝った。


だけどリョクは、ふう、と大きく息を吐き出しただけで。