花は野にあるように

そうっと目を開けて、僕はリョクを見上げた。


その額には、玉のような汗が浮いていて。


それが残照に照らされて輝いているように見えるリョクは、僕の目にすっごく素敵に映っていた。


あ。


やだ。


どうしよう。


リョクの事を好きな気持ちが、止まらなくなりそう。


あんまり、リョクの顔を見つめすぎているからかも。


そんな風に考えた僕は、視線を逸らそうとして。


でも、リョクに密着するように縛り付けられている僕には、そんなに選択の余地はなくて。


つい僕は。


下に目を向けてしまった。