花は野にあるように

その、筋肉の動きや。


深い息づかいや。


激しく打つ心臓の拍動に。


僕はそんな場合じゃないって言うのに、何故だか顔を熱くした。


やだ。


すっごくドキドキするよ。


こんなに密着していたら、リョクに僕の心臓の音を聞かれちゃうんじゃないかな。


そんな心配をしてしまうぐらい、僕の心臓は早い拍動を刻んでいた。


「………大丈夫か?」


少し登った所で、リョクが尋ねてくれる。


「うん。
僕は大丈夫。
リョクこそ大丈夫?」