花は野にあるように

くすっと笑いながら、からかわれてしまって僕はプイッと横を向いた。


「ヤ、ヤラシイ事なんかっ!
考えたりしてないんだからっ。」


ドキドキしている胸の内を気づかれないように、早口で言う僕の頭をまたクシャリと撫でると、リョクは。


「そうか?」


って言いながら僕を抱いたまま立ち上がった。


「なるべく動かないでくれよな。
それと縛ってるとこ、痛いかもしれないけど解けると大変だからな。
少しの間我慢してくれるか?。」


優しく聞いてくれるリョクの顔を見上げて、僕はコクンと頷いた。