花は野にあるように

そんな気分も手伝って、膨れっ面から変われない僕の頭をまた、くしゃりと混ぜると僕に顔を近付けたまま。





僕を横抱きに、抱き上げた。





「えっ?」


突然、ふわりと宙に浮かんで。


訳もわからず、キョトンとしてしまった僕だけど。


これって、いわゆるお姫様抱っこじゃないかぁっ!


やだぁっ!


「リ、リリリリリ、リョクッ!」


ようやく、状況が理解できてリョクの名前を呼んだ僕に、リョクは唇を寄せて囁いた。