「いたた。」


現金なもので、思い出した途端に痛み出す自分の足に少し笑ってしまいながら、僕はリョクが無事に着いたことに感謝していた。


神様かどうかはわからないけれど、リョクの事をちゃんと見守っていてくれて、ありがとうございます。


僕が心の中で、そうお礼の言葉を捧げていると、突然目の前に大きな影が現れた。


「えっ?」


驚いて顔を上げると、目の前に何故かさっき崖の上に姿を消したはずのリョクが立っていて。


「え?
えええぇぇぇっ?
ど、どうしてここに居るのっ?」