リョクの言葉で、つい怖い事態を想像してしまった僕は、大きくイヤイヤと首を振って座ったまま後ずさろうとする。


そのはずみに、右足首にまた激痛が走ってしまい、僕は悲鳴をあげた。


「痛っ………ぅ。」


顔をしかめて、痛みを堪える僕の手に携帯を押し付けながら、リョクは言った。


「ごめん。
んでも、あくまでも万が一のための保険なだけだから。
な?
ミキの足を冷やす水も、ここを上がれば手に入れられるし、ほんの少しの間だけ。
ね。
だから俺を信じて預かっててよ。」