「………ふ………くんっ………っあ!」


口腔内を侵しつくすようにむさぼるリョクのせいで、飛びかけていた僕の意識が、息苦しさという現実に出会って引き戻されてくる。


身じろぎも出来ずに、リョクの腕の中に収められていた僕は力の入らない腕を上げてリョクの胸を押した。


「や………ぁ………。」


首を振ってリョクの唇から逃れた僕は、涙の浮かんだ目でリョクを見上げた。



「ど………して………?」


まだ心臓がドキドキしていて、うまくしゃべれない。


でも………。


どうして急にリョクは………?