心配いらないって。


そう言って、リョクは僕を安心させるような笑顔を浮かべた。


「それよりも、問題はこれからどうするか、だよな。」


再び、ちらりと崖の上に視線をやると、リョクは身体ごと西の空へ向き直った。


「もう暮れかかってるよな。
とりあえず上に登ってから対策会議だな。」


そう言うリョクの視線につられて、僕も崖の上に目をやってみる。


上から見たときにも、ドキドキするくらいの高さを感じた高さだったけど、こうやって下から見上げると、まるでのし掛かってこられるかのような威圧感まで感じる高さの崖だった。