リョクに背中を支えてもらいながら、言われるままに僕はゆっくりと起き上がった。


起き上がると、足の痛みは更に酷いものになってきて、心臓の鼓動と同じリズムでズキン、ズキンと痛みを伝えてくる。


「起き上がってみて、改めて気持ち悪いとか、痛くなった場所とかないか?」


リョクが尋ねてくれた言葉も身体の中から響く、うるさいぐらいの鼓動の音で聞き取れないところだったけど、僕は顔をしかめながらも首を振って返事をした。


「痛くなったのは、右足だけ………。」