頑張ってミキが登ったからだな、と。


リョクが誉めてくれながら、後ろから僕を抱き締めるように両方の腕をまわしてくる。


リョクのリュックの背負い紐の部分につけられていたカウベルが僕の耳の横でコロン、と低く音を立てた。


音もなく、言葉もなく。


けれども、圧倒的なチカラを持った荘厳な。


自然の風景が奏でる協奏曲は、僕の心を鷲掴みにしたままで。


そこから与えられる感動に僕の心は揺すぶられっぱらしだった。