そんな事を考えちゃうと、なんだか急にいろんな事を意識してしまったり、思い出したりして。


僕は顔が赤くなるのを気付かれないように、ふいっと斜面の方へ向けたままでリョクに言った。


「じ、じゃあ、行こうよ。
僕はもう大丈夫だし。」


そう言いながら、登り始めた僕をリョクがどんな顔をして見ていたのかは、判らなかったけど。


小さく、ククッと聞こえたのがリョクの押し殺した笑い声だったような気が、僕にはした。