しっとりとした落ち葉や下草に足を取られたり滑ったりしながら、僕達は十数メートルぐらいおっこちるようにして急な斜面を降りて川辺へと出た。


少し背の高い広葉樹の梢から差し込む光は柔らかい緑色をともなっていて、静かに僕達を包み込んでいた。


「意外と静かなんだね。」


もっと動物の声や色んな音が聞こえるものと思っていた僕は、川のせせらぎの音以外にあまり物音の聞こえない事に気が付いてリョクに言った。


「んー。
俺たちが来たから、動物達は警戒してるんだろ?
それ以外の森の音ってあんまりうるさい音はないぞ?」