だってリョクと山に登れるのが嬉しくて、ほとんど眠れなかったのに目覚ましが鳴りだす前に目が覚めちゃってしまった僕は、早朝から気合いを入れて作ったんだもの。


………ふたり分には、ちょっと多いかもしれなかったけど、ね。


「作るの大変だっただろ?」


リョクがそう言いながら僕を自分のリュックの側へ引っ張って座らせてくれる。


「俺の荷物にもたれて座れよ。
俺はこっちに座るから。」


枝が重なっていて木陰が濃い方に僕を座らせて、自分は木漏れ日が眩しい木の根元の方に座る。


「い、いいよ。リョクがこっち座りなよ。」