崖の方と反対側に少し道を外れると、大きな木の根元に少し平らなスペースがある場所に出た。


「んー。
変わんないで、まだあったか。
記憶通りに、ここに一休み出来る場所があるって事は、ここを少し降りると小川のほとりに出るって事だな。」


大きなリュックを下ろしながら、リョクはそう言って道と反対側の方を指差した。


小川が流れているんだぁ。


僕はリョクの指差したほうを透かし見ようとするけれど、その姿は見られなくって。


でも、せせらぎの音は。


葉ずれの音の合間から、小さくだけど確かに聞こえていた。