「そんな時にさ、親父からその言葉を教えてもらって、なんかすっげぇホッとしたんだ。」


泣いている小さなリョクの声は聞こえなかったけど、その面影はまだ今のリョクの中にあるような気がして僕は。


リョクの顔をじっと見つめた。


「言葉の意味は、茶室に飾る花は華美に飾り立てるんじゃなくて、その花を見て花が自然に咲いていた状態を想像できるように、活けろって意味なんだケドさ。
俺にはあるがままの俺でいて良いんだって。
そう言ってもらえてるような気がしたんだ。」